どうもケンボーです。
スケートビデオと言えばDVテープで撮ったちょっと荒っぽい画質の映像じゃないでしょうか。
こういうの(大好きなSABOTAGEシリーズから)
最近ではGoproをはじめとしたアクションカメラだったり、スマホで綺麗な映像で撮れたりと撮影のハードルがかなり下がっています。
映像を撮ってその場で編集やSNSにアップ出来る時代にテープの記憶媒体は、もはや骨とう品レベル。
しかし、そんな中でもスケートボードの映像を撮るフィルマーの間ではVX1000、VX2000、DVX100といったDVテープで撮るカメラは人気です。
今回は壊れて使えないんですけど名機Sony DCR VX1000をゲットしたのでレビューというかなぜVX1000が愛されるのかを書いていきます。
SD画質がスケートボードの動きに適している?
VXはminiDVテープで記録します。
miniDVの映像が愛される理由としては画質に理由があります。
動画の画質をまとめると
- SD画質 720×480
- HD(ハイビジョン) 1280×720
- フルHD(フルハイビジョン) 1920×1080
- 4K 3840×2160
という感じで高画質な映像になるほど画面の比率が横長になります。
昔のブラウン管テレビがSD画質です。
スマホや最近のカメラ、液晶テレビはHDやフルHDという横長の画面ですよね。
「画面が大きいほうが見やすくてイイじゃん」という意見はわかりますし、現に最近のスケートビデオもHD画質や4Kでスケートビデオを撮っています。
なぜ、この時代にSD画質が好まれるのでしょうか
それはスケートボードの動きに関連しています。
スケートボードはフラットトリックにしてもカーブトリックにしてもジャンプを利用した上下運動がメインです。
HDやフルHDの横長の画面比率だと見切れが増えてしまいます。
スケートボードのトリックは着地が映っていなければいけません。
つまり、顔が見切れるからと顔を入れるようにしても足元が映っていなければだめなんです。
でも見切れを防ぐためにカメラを引いてしまうと迫力が薄れてしまいます。
SD画質のちょっとだけ横が広い画面比率なら見切れも少なく、被写体にしっかり寄ってトリックの迫力を捉えることが出来やすいのです。
わかりやすいのがBlindというデッキブランドから出ている「Damn…」というスケートビデオ
こちらのスケートビデオはSDとHDを組み合わせて作っているビデオなので被写体の映り方も比べやすいと思います。
18:56~のシーンを見てください。
すぐ隣くらいの距離で撮っていますが↓
全身が映っていますよね。
もちろん、カメラマンの腕にもよりますが、VX1000やVX2000といったSD画質のカメラならしっかり寄って撮れるということなんですね。
とは言え、今のビデオカメラでも設定で画質を16:9から4:3に替えられますし、どれくらい寄れるかで考えるとアクションカメラも負けていません。
やはりVX1000特有のちょっと荒っぽい画質が「これぞスケートビデオ」という価値観を生み出しているのでしょう。
もう、ただのこだわりの話です。
Century製の魚眼レンズ「MK.1」(デスレンズ)との組み合わせ
VX1000を語るうえで必ず出てくるのはCentury製のMK.1という魚眼レンズ。
1度はこのフォルムを見たことないでしょうか
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このMk.1とVX1000を組み合わせるのがベストセッティングと呼ばれています。
ダン・ウルフというフィルマーが最初にこの組合わせで映像を撮ったことから
スケートビデオ=VX1000+MK1という1つの概念が誕生しました。
その証拠に1999年から2007年頃まで発売されたスケートビデオの多くはこのセッティングで撮られています。
デスレンズ以外にもOptekaというメーカーからウルトラフィッシュアイというレンズが出ていますがやはりデスレンズの方が寄って撮ることが出来るみたいです。
ちなみに中古でも15万以上するので、簡単には手に入りません(汗
付属のモノラルマイクの音がめっちゃいい?
※ちゃんとスポンジを挟んでマイクが垂れ下がらないようにしましょう。
これはスケーターにしかわからない話ですが、VXについているモノラルマイクがデッキの「パチン!」っていう乾いた音をうまく拾ってくれるんです。
モノラルマイクは一点で発生した音を拾ってくれやすいマイクです。
スケートボードのような並走して撮影したり、引きの映像でもテールヒットの音をしっかり録音できちゃいます。
音がイイというかなりマニアックなポイントですが「VX mic」というVX風に音を録音できるマイクを製造するメーカーもあるほど、マイクには定評があることがわかりますね。
逆にスマホやアクションカメラは映像は綺麗ですけど音がうまく拾えないんですよね。
ここからはデメリットを書いていきます
デメリット①動くカメラが少ない
1995年生まれのVX1000はもう20年以上前のカメラになるのでちゃんと動く個体はなかなか手に入りません。
ちなみに1994年に初代プレイステーションが生まれています。
僕が貰ったVX1000もテープを取り込んでくれるまでは良いのですが、読み込んでくれないので撮影が出来ません。
「テープを取り出せマーク」が出てます
テープで記録するカメラはテープを取り込む仕組みが複雑で壊れやすいです。不具合のあるカメラのほとんどが取り込まないとか、読み込んでくれないという症状が出ています。
修理も出来るのでしょうが、そこまでしてお金を掛けるべきかと悩むところですね。
綺麗な個体が手に入ればラッキーという感じでしょう。
デメリット②ある程度パソコンの知識が必要
デジタルカメラの場合はSDカードに記録するのでカードリーダーがあればパソコンにデータをすぐ保存することが出来ます。
テープはアナログデータなので1度デジタルに変換してパソコンにデータを保存する必要があります。
テープの場合はキャプチャーソフトを使うか、VXについているiLINKという端子をパソコンとつないでデータを転送します。
この手の話をググってすぐ分かる方なら良いですが、そうでなければやめておいたほうがいいかも知れません。
テープは意外と扱いが難しいのでカメラの操作を間違えばテープをダメにすることもあります。
あとはテープの重ね撮りは映像が悪くなるので控えておきましょう。
ある程度自分で調べて試行錯誤できる人には面白いカメラですね
まとめ:フィルマーなら1度は手に入れたいカメラ
今まで販売されているスケートビデオの多くはVX1000で撮ったビデオが多く、「この音、この画質じゃないとスケートビデオじゃない」って固定概念がまだ残っている方もいます。
これからスケートの動画を撮ってみたいという人もやっぱり一度はVXは使ってみたいと思っちゃいますよね。
しかし、経年劣化やお金の問題でなかなか扱うことが難しくなっている状態です。