あの日口にしたレモン汁の酸っぱさを僕はまだ知らない

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みなさんは、「このメニューは自分の家だけしか出てこない」という「家ご飯」はあるでしょうか?

ちょっとした違いはどの家庭にもあると思います。

おでんを食べるときに白米を付けるか付けないかとか、お雑煮のダシはどーとか

関東に住んでいるのに関西風の味付けとかってありますよね。

完全に「これは我が家のオリジナルメニューだ!」っていう食べ物ってよく考えると面白いと思うんです。

「あれって自分の家だけだったの?!」みたいな発見

ちょっと前にシチューをご飯に掛ける「シチューご飯」というワードもあったような。これも完全に家ご飯ですよね。

ある意味「母親の味」というか実家を思い出すような感じ

僕の家庭はおばあちゃんがご飯を作っていることが多かったので「母親の味」というか「おばあちゃんの味」になりますね。今でも魚料理とかを食べられるのはおばあちゃんのお陰だったと感謝です。

僕の思い出せる1番の家ご飯は「牛丼」ですかね

あの牛丼です。

丼にごはんと牛の肉が乗った、あのヤツです。

オーソドックスな食べ物が家ご飯なのです。

おばあちゃんの作る定番メニューには「肉じゃが」があります。
これ自体はよくある普通の肉じゃがです。甘めな味付け

おばあちゃんは夕飯が肉じゃがの日には、僕達兄弟へは「あんた達は『牛丼』ね」と肉じゃがをどっーん!って丼ご飯の上にブチ込んで「はい、牛丼」とテーブルに出します。

僕達2人だけその牛丼です。

ほかのメンツはご飯と肉じゃがで食べます。

兄は知りませんが、僕は「これは牛丼」と信じて疑わなかったし、何より牛肉乗ってますから「牛丼」なのです。

この牛丼はジャガイモ、糸こんにゃく、ニンジンさん、とかなりヘルシーな牛丼なのかなと今考えると思ってしまいます。

きっと「たくさん食べさせてあげたい」とか「子供には食べにくい」という想いから、肉じゃがをぶち込んでしまうのでしょう。

僕がこれを世間一般の「牛丼」ではないと気づいたのはアニメ「キン肉マン2世」がテレビで放映され始めたときのことです。

2002年くらいのことなので、小学校低学年くらいでしょうか。

キン肉マン2世ことマンタローはカルビ丼が好物という設定です。

当時カルビ丼というメニュー自体はよくわかっていなかったので「牛丼の野菜無いやつか」みたいな感じで思っていました。

しかし、なんということでしょう

マンタローのオヤジであるスグル(キン肉マン)がどんぶりで食べているのが「本当の牛丼」ではないか!

まじかよ。

「ニンジンさんが入っていないぞ。。。。」

「お芋も入ってない。まっちゃっちゃだ。。。」

これにショックを受けた僕はおばあちゃんに「これは、本当の牛丼じゃないの?」と聞きそうになりましたが、グッとこらえました。(多分

これが我が家の牛丼である、それは紛れも無い事実なのです。

それに、この牛丼はおいしい。

ずーっとニンジンさんやお芋が乗っているのが牛丼だと思っていたので、今でもテレビのCMで「す○や」とか「吉野○」の牛丼を見ると「やっぱ何か違うなー」と感じてしまいます。

ハイ、ここからが本題。

日曜の晩はたまに「焼肉の日」になります。

家族で囲んでホットプレートで焼く庶民スタイルです。

焼く順番は焼肉奉行である母が決めています。

僕のような下僕は焼けた肉を食べるだけ。

「家ご飯」というポイントで言うと我が家の焼肉にはなんと、序盤に「ギョーザ」が出てきます。

あのギョーザです。ソーセージやカルビなどを焼いている中に冷凍モノのギョーザをぶち込みます。

これについては、物心が付いたときから「ギョーザはさすがにオカシイ」と気づいていましたが、否定しても何もないので食べていました。

1度母に聞いたことがありますが、「お腹がいっぱいになってイイでしょ?」と言う割にはめっちゃ肉が出てくる矛盾。

母の考案なのかなと思っていますが、いつからこうなっているのか分かりません。

焼肉用のホットプレートで焼くギョーザは水を足さないので皮がふんわりパリッとなるわけではなく、皮がちょっと固くなって噛み応えもあっておいしい。

バーベキューで使う金網で焼いても同じ感じになっておいしいのです。1度やったことがあるのですが、好評でした。

焼肉のタレにも合いますねぇ。ほぼタレの味になりますが

そんなこんなで焼かれたものを食べるという焼肉スタイルで育ったおかげで僕は「鳥と豚と牛の区別は付くけど、部位で言われても全然ピンとこない。全部、肉じゃん。」という食に興味があるとかないとかそんなレベルではない人間になってしまいました。

外食もあまりしない家でもあったので、未だに外食が苦手です。

高校生のとき、多分生まれて始めてくらいのレベルでお店に焼肉を食べに行きました。
スケボーの集まりか何かで行ったのかな

「肉が食える」というワクワク感と「焼肉ってお店だとどーやって普通は食べるんだ?」という不安がかなり頭のなかでパンパンに膨らんでいました。

そもそも、焼けた肉をただただ食べる焼肉スタイルでしかなかったので「やっぱカルビっしょ!」って部位で言われても全然ピンとこないのです。

普通の肉のやつかな?ってくらい。

席に付き「みんなまだ揃わないのかー」なんて仲間と喋りながら、僕の目線はテーブルの「アイツ」に釘付けになっていました。

小さい

めっちゃ小さい

小さい皿にちょっとだけ入っている透明な液体

そう「レモン汁」である。

今では、別にレモン汁じゃなくても普通のタレで食べるってことはわかるのですが、そのときはかなり疑問に思っていました。

「こんな小皿は家で見たことが無い。。。なんだこれは」

「手を洗うヤツじゃないよな。あれはフィンガーボウルか」

箸でちょっと舐めてみたいけど焼肉初心者とバレてしまう、なんて不安がよぎりながらも焼肉会がスタート。

「メニューは任せるわ。とりあえずカルビでしょ」なんて余裕ぶっこきながら内心ヒヤヒヤである。

これは何で使う液体なのだ…

多分、肉で使うはずだ。いや、野菜かも知れない。

どのタイミングで使うヤツなのかわからねぇ

友達が頼んだメニューがテーブルに運ばれ、焼肉が始まった

ワイワイしながら各々肉を焼く

ジューという音と同時に脂が網の下に滴り落ちる。

焼かれる肉を食べながら、僕の頭の中は謎の液体を使うタイミングについていっぱいだ。

いつだ

いつコイツを使うんだ

カルビ

これは流石にタレだ

ソーセージ

さすがにタレだね

鳥肉のなんか

これもタレ

ホルモン

コレは噛み切れない、しわい

タン塩

…ん?

みんな小皿の液体にタン塩を付けてぺロリしている。

コレか!?

このタイミングか!分かったぞ!

僕は目の前で焼かれているタン塩をサッと取り、小皿の液体に付けて口に含んだ

とっさに口の中で酸味が広がり顔を歪めた

これは…レモン…? レモン汁か?!

小皿の液体はレモン汁だったのである

タン塩ってレモン汁で食べるのか。。。

レモン汁に付けて食べると肉の味がハッキリと分かる。

脂がレモンによってさっぱりとするような感じもします。

かなりカルチャーショックを食らったのを覚えていますね。

でもでも

「うん、タレで食べたほうがおいしいわ」って感じで、すぐタレで食べ始めました。

母さんにそのことを報告すると「ウチにそんなもんはない!」とピシャリと弾かれてしまったので、我が家ではこれからもタン塩はタレで食べることでしょう。

そもそも、家の焼肉は味付けを仕込んで焼くわけではないのでタレでいいのでしょう。

「タン塩にレモン汁」はホステスのお姉さんがそうやって食べていたという説があるそうなんですが、それはまた別の機会に。

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